9thコンサート演奏曲紹介⑤「内なる遠さ」より『飛翔ー白鷹』
(前回記事はこちら)
今週から、「内なる遠さ」の5曲を少しずつご紹介!
本日は…こちら!
「飛翔ー白鷺」
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白鷺が 高く舞い飛び
冬空の彼方にきえる
するとそのあたりから
不思議にちらちらと
雪が降りだす
空に在る掌は
いつもやさしく
白鷺を雪の花にして還す
ひらひらと風に舞わせ
山の上 葦原の上
樹木の上 水田の上に帰らせる
幾度でも 雪に還され
幾度でも 雪から生まれる
高く舞い 高く舞い飛べ
くりかえし雪となり
舞い降りて また白鷺となれ
幾度でも より清らかに甦れ
今も人々の
心の中に飛んでいる
白鷺
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詩は、冬の空高く飛び去った一羽の白鷺が、やがて雪へと姿を変えて地上に舞い戻ってくるという、幻想的な循環を描く内容です。詩の後半にある「幾度でも より清らかに甦れ」という言葉からは、単なる自然描写を超えて、何度生まれ変わっても理想を追い求めたい、より純粋な存在でありたいという、人間の魂の再生と浄化への願いが読み取れます。それはまさに、私たちの心の中にある「内なる遠さ」を象徴しているのです。
音楽は、髙田三郎先生らしい日本語の自然なイントネーションを生かした旋律で、この神秘的な世界を表現しています。白鷺が空へ向かう羽ばたきや、ちらちらと舞う雪の様子を繊細に描いたピアノの旋律もまた特徴的です。
「高く舞い飛べ」からのクライマックスでは、合唱が力強い意志を持って高揚し、生命の強さを歌い上げます。そして最後は、心の中に飛び続ける白鷺のイメージとともに、静かで深い余韻を残して終わります。
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