9thコンサート演奏曲紹介④「内なる遠さ」

(前回記事はこちら)

先週までは第1ステージ「ドイツ・ロマン派の音楽」で演奏する楽曲3つに触れました。

今週からは、第2ステージで演奏する

混声合唱組曲 「内なる遠さ」

について、数週に分けてご紹介します!


この曲は1978年に初演され、同年の文化庁芸術祭優秀賞も受賞した名曲です。

1曲目の

「飛翔―白鷺」

は、女声合唱版が2019年度全日本合唱コンクールの課題曲にも選ばれました。


作曲者の髙田三郎先生(1913-2000)は、ルグランでも3年前に演奏した「心の四季」など、日本語の美しさを最大限に引き出す曲を多数手がけた、日本の合唱界を語る上で欠かせない作曲家の1人です。髙田先生は敬虔なカトリック信者でもあり、教会で歌われる典礼聖歌やミサ讃歌なども多く手がけられました。先生の作品には、そうした信仰心が根底に流れていると言えます。

そして作詞は高野喜久雄さん。髙田先生とは、「水のいのち」「ひたすらな道」といった名作を共に生み出しました。

さて、「内なる遠さ」ですが、組曲を構成するのは

飛翔 白鷺
崖の上 かもしか
合掌 さる
燃えるもの 蜘蛛
己れを光に 深海魚

の全5曲。全ての曲に共通して、動物たちが主題となっています。

これらの詩に対して、作詞の高野さんは以下のように述べています。

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生きるものはみな、不可視の高さから<生きよ>と命じられた物を生きている。
あるいはその声に深く託されたものは何かをくりかえし問い直し、
しかもそれへのはてしない応答の如くにも生きている。
どの生もみな、それぞれの内なる遠さへの限りない問いであり、応答である。

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これらの動物がひたむきに生きる様を通して、私たち人間も心の中に抱える"内なる遠さ"を描き出します。ピアノと合唱が一体となってドラマチックに表現されるそれぞれの楽曲を、会場でご堪能いただければ幸いです🎵


次回から、それぞれの楽曲について触れていきます!

ここまで読んでいただきありがとうございました!!

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