9thコンサート演奏曲紹介⑩Contre Qui, Rose
(前回記事はこちら)
演奏会本番まであと2週間!
曲紹介もいよいよ第3ステージを残すのみとなりました…本日はこちら!!
Contre Qui, Rose(Morten Lauridsen)
邦題:薔薇の歌
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Contre qui, rose
Avez-vous adopté
Ces épines?
Votre joie trop fine
Vous a-t-elle forcée
De devenir cette chose
Armée ?
Mais de qui vous protège
Cette arme exagérée?
Combien d'ennemis vous ai-je
Enlevés
Qui ne la craignaient point
Au contraire, d'été en automne
Vous blessez les soins
Qu'on vous donne
薔薇よ、誰に対して あなたはその棘を 身にまとったのですか?
あまりに繊細なあなたの喜びが あなたを強いて このような武装した姿に 変えてしまったのでしょうか?
けれど、その大げさな武器は 誰からあなたを守っているのですか?
私はどれほどの敵を あなたから追い払ってあげたことでしょう
その棘を少しも恐れなかった敵たちを。
それどころか、夏から秋にかけて
あなたは自分に注がれる慈しみの手さえ 傷つけてしまうのですね。
(Lyrics:Rainer Maria Rilke)
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この詩は、ドイツの詩人リルケがフランス語で綴った「薔薇」への問いかけです。
美しい薔薇がなぜ鋭い棘を持たなければならなかったのか。
それは外敵から身を守るためというより、自らの「あまりに繊細な喜び」を守ろうとした結果ではないか、と詩人は推察します。
しかし、その棘は自分を愛し、世話をしてくれる人の手さえも傷つけてしまう。
美しさと攻撃性、愛されたい願いと人を拒絶してしまう孤独。
そんな矛盾に満ちた複雑な感情が、薔薇という象徴を通して見事に描き出されています。
作曲者のモーテン・ローリゼンは、現代アメリカを代表する合唱作曲家です。この『Contre qui, rose』は、彼の代表作である合唱曲集『薔薇の歌』の中でも、特に人気の高い一曲です。
楽曲の特徴は、なんといっても「ローリゼン・トーン」と呼ばれる、音が幾重にも重なり合う豊潤な和声です。現代的な不協和音が含まれていながら、不思議と耳に心地よく、幸福感と、どこか切ない愁いを同時に感じさせます。
繊細に揺れ動くハーモニーは、薔薇の香りが漂ってくるような優雅さを持ちつつ、時にピリッとした緊張感を見せ、それが「棘」の存在を想起させます。
単に美しいだけでなく、言葉の裏にある「心の痛み」までもが音楽に昇華された美しさ。是非会場にてご堪能ください。
この曲は、昨年に参加した第7回東京国際合唱コンクール(TICC2025)でも自由曲として演奏しました。この時からさらに仲間も増え、より充実度の高い演奏ができるように励んでいます。お楽しみに!
(↓TICC2025の様子)
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